窓辺にクッションとざぶとんもって移動して、おやつ食べながらみかん箱に新聞広げて読むのが日課だ。
気になる記事はカッターで切り取っておいて、まとまったら無印の雑誌ノートにのりで貼っておく。
いまみかん箱の上には、会ったことはないけど縁あってなかよくさせていただいてるひとからのお便りがのっている。
知らないうちに気温は10度を切りっぱなしになっていて、葉っぱもざくざく散っていて、みているはずなのに無関心でいた自分自身にびっくりした。
休み明けでひさしぶりに出勤したらば、新潟と山形からその尊き便りが届いていて、わたしは我に返ったの。
これがすきなんだよと、言いきれるひとの話にはじっくり耳を傾けていたいと思う。
そしてだれかにあなたはなにがすき?と聞かれたなら、きちんと答えをぱこーんと口にしたいなあ、と。
でも秋になって、あたらしい宿での仕事がはじまったからと言い訳をしてさ、わたしはわたしのすきなものやすきなことにはあまり時間をさいていなかったわけさ。
とっぷりと眠りたかった。無心におやつをむさぼって、ごみの山をみて呆気にとられたりさ。
休みにはおうちに帰るも、妹のあまりの乱雑さぶりに荒れ果てた部屋がかわいそうで、わたしは泣いた。
逃げたのはわたしだけども、だいすきな巣や道具を痛めつけられるのは我慢ならなかった。
日常にはおたのしみ時間は、必要なのだ。なにがなんでも。
そばにいるだいじなひとを大切にしながら、すきなことにもまっしぐらなおにいさんとおねえさんがいる。
そのひ帳を通じてつながりを持てたふたりからいただいた便りが、いまみかん箱にひっそりのっかっているのだった。
いつもな。忘れたくないのに忘れてしまってることを、わたしはだれかを通じて気づかされるのだ。
カメさん(ソレルナ)・ちえさん(はちみつ中毒)、ありがとうね。
今日ははじめて日勤でした。夜の休日に寮にいるのもはじめてだ。
これから食堂でエビフライをたべてくる。
はらいっぱいになったらば、暖房で暖めた部屋でたのしいことをしよう。
ひとりでうきうきするのが、わたしの特技なんだった。
さあ、思い出せ。
手ごたえのない相手にエネルギーを送ったところで、その身がすかすかになるなんて馬鹿げてる。
さあ、うかれよう。
まずはエビフライが待ってる。
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