2005年05月11日

海なんてきらいだった

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なんでみんなあんなに海ばかり行きたがるのだろうと 

わたしは長いこと思っていた だから誘われてもけして行かなかったし
この先自分が海なんざすきになるなど考えもしなかった
それくらい遠い 自分には縁のない場所だと思い込んでいたので

あるとき海好きの友人がドライブに行こうと言い出した

「よし、山に行こう」 隣町のお山へソフトをたべに行ったあと 車は海へと向かう
もちろん決定権はその子にあり、行きたくないなどとはとうてい言い出せぬ空気

野蒜(のびる)海岸へと到着する 数年ぶりの海
小学生んときぶりだったか 思春期のわたしは海に近寄ることすらなかった

ざぶんざぶん かもめ むこうに浮かぶ船 砂浜

海はかなしいのか? 海はこわいのか?

行って、帰ってくるときのあの重苦しいほどの寂しさ
おとんの車の窓ガラスから どんどん遠ざかる海の青色よ

ああ、そうだ わたしは「海からの帰り道」が大きらいだったんだ

海そのものが苦手なんじゃなくて むしろ好きで ずっといたかったのだ
行って、帰ってくるのがいやでいやでしょうがなかったくらい

ゆるゆると 思いこみの縄がほどけてゆくわけさ
はだしで砂の上うろつく間にも
  

海きらい(勘ちがい)を克服したのちというもの
いろんな土地の海に立ち寄るたび テレビや映画や本で登場する海を感じるたび
わたしはあの日 無理やり連れてかれた海岸と
そして「海」って字を名にかかえてたひとのことを思い出す

名前は魔法なのだ

そこにいてもいなくても その響きはひとの気配まで生々しく匂わせて
いろんな事象の端々に 記憶を呼び起こす種を蒔くのだ


昨夜筑紫さんの番組で、あっちゃん言ってたよ
「心の、音」という名を持ったひとのために のこされた家族のために
自分にできることは「歌うだけ」と

セレストブルー
紺碧の海の果てに浮かぶ 天上の青

「ちゃんと、生きてたってことを 生かしてあげようと思って」

心音さんのお母さんは 沖縄の海を背にしてこう言ってたよ

さあ、わたしにはなにができるのか
わたしはまわりのひとたちになにを残せるのか
 
 
写真の野菜は朝市のもの みんな100円! 小松菜なんて5把100円!
考えなしに買いまくったらあまりの重さにたまげたね
献血ルームのひとにまで心配されるありさま

アエルの献血ルームからは太平洋が見えるんだよ
今日のようによく晴れた日は 街の果てとの境界がくっきりしてる

家に帰ってその野菜でつくった夜ごはんを ことらといっしょにいただきながら
こうしてこしらえた料理を おんなじこたつでたべてもらうこと
これがいまいちばん、いろんなきもちを込められる気がした

いつ、いなくなるかなんておたがい知らないもの同士
一食ごとを ていねいに刻みこむべさ

たとえ いっぱいのお茶づけだとて 忘れられぬ食事となりうるのだから

 
海なんてきらいだった

でも、もうへっちゃらだ
わざわざ行って帰ってこなくたって 
ひとも 記憶も 土地も どこまでもつながってるのだ
過去も未来も なんでもかんでもくるくると

それなら歌は届くはず 祈りだって、きっと届く

もういないあのひとにも、じいちゃんにももいっぺん会おう
とことんねちっこく しつこくあきらめないでいよう
 
 
さかもと未明さんのブログにトラックバックさせていただきました
漫画家・歌い手・評論と
わたしが尊敬してやまない分野(自分にはぜったいできないから)
そのすべてで活躍されてる
たくさんのことを生んで、伝えて、残してゆくひとなんだろう

トップの木漏れ陽日傘写真、うんときれいだよ 
 
 
では、またあした
 
 
けいじばん
posted by 杜美 at 01:36| 宮城 ☀| Comment(2) | TrackBack(1) | 忘れぬ、ように | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
未明です。きれいな、きれいな文章のトラツクバツクありがとう。海の奇警な色ルカ得るときの寂しさ、心の音という名前のこの話し、おじいちゃんたちの事ーーーー、みんな心にしみました。私の心に昔からあった風景のようにーーー。なつかしくて。わたしは、歌は下手だし、文も認められてはいなくて、たた゜無知優で欠いてるだけだけど、だんだんこうして読んでくれるひとがふえたんだっていうそれで、きつつい日々がいやされます。コメントと文章、ありがとう。またこれからものぞきにきてください。
Posted by さかもと未明 at 2005年05月11日 01:56
未明さん、コメントうれしかったです
毎度毎度 ネットってすごいなあと感心してしまいました
だって言葉のやりとりできちゃうんだよ?
会ったこともないけど、すてきだなって思う人とだって、交わせてしまう

「セレストブルー」というのは、歌い手のCoccoさんが心音さんて方にたむけた曲です
この歌が沖縄の地に放たれるのを 心音さんのご家族が海を越えて見届けに行く、
そのドキュメンタリーが放映されていました

歌も名も 意志も願いも 届くものは届くんですよね
それならあきらめずにいようと思います
寝起きとあきらめの悪さには自信があるのです、わたし

またブログ拝見させていただきます
どうもありがとうございました
Posted by 杜美 at 2005年05月11日 11:51
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